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『コンプレックス文化論』 武田砂鉄 (文藝春秋)

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浜松本店

『コンプレックス文化論』 武田砂鉄 (文藝春秋)

浜松本店:副店長・杉田のおすすめ



これまで、なかなか取り上げられることのなかった10の「コンプレックス」と向き合い、それを“しつこく”考察した論評集。

本書を読むキッカケとなったのは、取り上げられている「コンプレックス」の多くが,自分自身にも身近であったため。

「遅刻」はたまにしてしまうし、
「背が低い」は子供の頃悩んでいたし、
「ハゲ」もこの頃少し気になり始めていて、
「親が金持ち」とか「実家暮らし」ではないけど、
「セーラ服」正直好きだし・・・といった感じで。
(他にも「天然パーマ」「下戸」「一重」「解雇」が取り上げられています)

本書では「コンプレックス」が実は偉大な“文化”を生み出す原動力になったのでは、という仮説のもと、

ミュージシャン、俳優、小説家、デザイナーなど「表現者」へインタビューし、検証していく。

「セーラ服」の章ではイラストレーターの中村佑介さんが「女の子と話せなかったから、僕はセーラ服を描いた」など、表現者の言葉が仮説の実証に説得力を持たせる。
そんな小さいことでクヨクヨ悩んでないで、全然大丈夫だよ!的な「コンプレックス」解消を目的とした自己啓発書ではなく、その真逆で、小さいことでクヨクヨしなくてどうする、悩んで、引きずって、その「コンプレックス」継続してくださいねっていう、

今までになかった“勇気”の書。