Javascriptが無効になっているため、正常に表示できない場合があります。

『クラインの壺』 岡嶋二人 (講談社)

login
店員のオススメ

流通通り店

『クラインの壺』 岡嶋二人 (講談社)

流通通り店・文芸書/文庫担当:八木のおすすめ



「クラインの壺」は、裏も表も境界もない壺のような形状のものです。

「メビウスの輪」の3次元版と考えると、わかりやすいかもしれません。

本作の主人公上杉彰彦は、ゲームブック原作公募に応募した原稿をイプシロン・プロジェクトに売却し、原作として制作されるゲームのテストモニターとして関わることになります。

このゲームは、「クライン2」というヴァーチャルリアリティシステムを用いて、全身、全感覚をゲームの世界に落とし込むものでした。

もう一人のモニター梨沙とともに仮想現実の世界に入っていく上杉ですが、ゲームの世界だけでなく現実世界でも不可解なことが起こりはじめ、やがて梨沙が姿を消します。

その不自然な状況に疑念を感じた上杉は、会社のことを探ろうとしますが――

裏も表も中も外もない壺をのぞいたら、そこには何が見えるでしょう。

その先には何があるでしょうか。そもそも先はあるんでしょうか?