今を生きる私たちの生活から伝承や民間信仰が遠く感じられ、
知らず存在を忘れさられそうで日本人として大切な物を無くしてしまうのではと思ったときはありませんか??
いわゆる娯楽というものがほぼ無かった時代に、物語は口頭伝承されて語り継がれていたと思います。
そのひとつが遠野物語であり、その内容に既視感を覚えるのはいまも新たに紡がれる物語の
原点となっているからではと思わせる内容で、
私たちは目に見えない何かに常に畏敬と戦慄を抱いてきたのだと改めて思いました。
今回の推し本は
漫画家鯨庭さん通して描かれた遠野物語。
新たな命を吹き込まれ新たな感動と胸に迫る寂寥感、
人間をウソ偽りなくあぶりだしているように感じました。
鯨庭版遠野物語が新たな原作版遠野物語の読者を増やし、日本にそう遠くない昔、
信じられ伝えられていた、妖怪、動物、神々を忘れらないように覚えておく機会になればいい。
本作をお読みいただき、興味を持たれた方は、
さしあたって井上ひさし「新釈遠野物語」や原作の併読もできる京極夏彦の
「遠野物語remix」(現在は電子書籍のみ)あたりからどうでしょうか?