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『愛なき世界』 三浦しをん (中央公論新社)

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店員のオススメ

アピタ磐田店

『愛なき世界』 三浦しをん (中央公論新社)

アピタ磐田店・店長:柴田のおすすめ



何かに夢中になる人はなんて魅力的なのだろう。


一人前の料理人を目指し、 洋食屋「円服亭」で修業中の「藤丸陽太」は、 出前に行った大学研究室の「本村紗英」に恋をした。 「いえ、私は葉っぱを顕微鏡で見て、細胞の数を数えています」 と言う本村は、シロイヌナズナの研究に全ての愛を注ぐ研究者。 毎日、植物のことで頭がいっぱいの彼女に、 藤丸の気持ちは届くのか!?


三浦しをんさんがみっちり取材して書かれた本作は、 細部までリアルなのに、変に難しくなく理系が苦手な自分にも、すっと馴染む心地よさ。


個性いっぱいのキャラクターはみな変わり者だが嫌味がなく、真面目で一生懸命。


焦り、悩み、傷つき、ながらも、愛することをやめられない。
愛なき世界に愛を注ぐ傑作長編です。


物語の良さもさることながら、本の装丁がとても美しいので是非店頭で手に取っていただきたいです。