Javascriptが無効になっているため、正常に表示できない場合があります。

『しんせつなともだち』 方軼羣 君島久子 村山知義 (福音館書店 )

login
店員のオススメ

バイヤー(児童書)

『しんせつなともだち』 方軼羣 君島久子 村山知義 (福音館書店 )

児童書バイヤー:井澤のおすすめ



寒い冬、食べものをさがしにでかけたこうさぎは雪の中でかぶを2つ見つけました。
ひとつだけ食べ、もうひとつはともだちのろばさんへ持っていってあげました。
自分と同じように、ともだちも寒さの中、食べ物がなくて困っているだろうと思ったからです。
そして、このともだちへの思いやりをのせたかぶは、ともだちからともだちへと届けられ、最初に拾ったこうさぎのところに届いたのでした。
こうさぎはすぐにわかりました。
『ともだちがわざわざもってきてくれたんだな』と。

私は子どものころからこの絵本が大好きでした。
親戚のお姉さんから譲り受けたものです。
児童書担当者になってから毎年欠かさずにこの絵本をおすすめしています。

誰かに贈り物をするとき、そこには相手を思いやる気持ちがあるはずです。
受け取った贈り物には、自分への思いやりの気持ちが込められているのだと贈り物をもらう側の子どもたちにも感じてほしいなという願いを込めてこの絵本をならべています。

親戚のお姉さんからもらった私の絵本も年下の従妹たちに譲りました。
絵本もこのお話のかぶのように、相手への思いやりをのせてくりかえし届けることができるのです。
これからも誰かに届けたくなるような絵本を大切にしていきたいなと思います。