1年前、コロナ禍により中止が決まった甲子園。
この本は甲子園で多くの名勝負を繰り広げた愛媛県の済美高校、石川県の星陵高校に取材をし、
球児や監督の心情にせまったノンフィクションです。
甲子園を目指し、野球に打ち込んできた日常が突然消えてしまった昨年夏。
最後の夏だった3年生。そしてレギュラー選手、控え選手、監督。
甲子園という目標がなくなってしまい、喪失感が大きいのは言うまでもないのですが
プレッシャーから解放されて、純粋にただ野球を楽しみたい、と感情の変化が 生まれた選手も。
野球部だけではなく、スポーツだけでもなく、また文化部だって同じ境遇の子が
たくさんいるなかで、正解が出せない夏を過ごした、そして今を過ごしている学生さんに
十数年後にもう一度あの夏について聞いてみたいと思いました。
コロナの猛威は収束せず、地方大会では感染により辞退する高校もありましたが
2年振りの甲子園が始まりました。昨年の先輩方の思いを背負って戦う選手も
たくさんいるはずです。いままでも数多くの激闘を観てきましたが、
今年もたくさん生まれる名勝負をテレビから応援したいと思います。