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『おはよう!しゅうしゅうしゃ』 竹下文子 鈴木まもる (偕成社)

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店員のオススメ

バイヤー(児童書)

『おはよう!しゅうしゅうしゃ』 竹下文子 鈴木まもる (偕成社)

児童書バイヤー:井澤のおすすめ



以前お客さまから、ごみが回収されたあとどうなるかがわかる絵本がないか?
というお問い合わせがありました。
お子さまに聞かれて、絵本で教えてあげたいというお母さんの思いやりでした。

当時、お店にある本の内容を調べたり、ネットで検索してはみたものの、
見つけられたのは3000円くらいする学校や図書館においてあるような小学生が
読める本ばかりで、お母さんが望む、幼い子に読み聞かせできるような本は見つけて
あげられることはできませんでした。

お客さまが探している本を満足に答えられなかった記憶は、いつまでも私の頭の中に
残っているものです。

今回ご紹介する絵本のタイトルを新刊案内で初めて目にしたとき、
「あのとき求めてた本に出会えるかな?」
と、発売を心待ちにしていたのを覚えています。

読んでみたら、私の期待どおり、これだ!という絵本でした。
ごみ収集車のお話なので、ごみを回収してから焼却場にごみをおろすところまで
しか描かれていませんが、朝早くから働き始め、町じゅうのごみを回収しながら、
周りの景色や人々がていねいに描かれていますので、お子さんたちにもその様子が
わかりやすく伝わるとても良い絵本です。

時間が戻るなら、あのときのお母さんに教えてあげたい!と今でも思うくらいですが、
きっと、あの時のお子さまはもう成長して、授業で習ったり、社会科見学でごみ収集場
へ行ってることでしょう。

この絵本を読んでもらったお子さまの中には、「収集車からおろされたごみはどうなるの?」
とまた新たな問題が生まれるかもしれません。
その疑問が解決される読み聞かせ絵本があるのかもしれませんが、勉強不足な私はまだ知りません。

児童書担当を続けていれば、いつか出会えるのかな・・・と、期待しながら待つことにします!