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『パパはわるものチャンピオン』 板橋雅弘 吉田尚令 (岩崎書店 )

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バイヤー(児童書)

『パパはわるものチャンピオン』 板橋雅弘 吉田尚令 (岩崎書店 )

児童書バイヤー:井澤のおすすめ



男の子の多くは、テレビの影響もあり、正義の味方「ヒーロー」に憧れがあります。
常に「わるもの」である悪との戦いが頭にあり、私も甥っ子のために「わるもの」を演じ、なんども戦った記憶があります(笑)
プロレスを知らない子供たちがこの絵本を見たら、かっこいい「ヒーロー」と邪悪な「わるもの」が戦っているように見え、ヒーローを応援したくなってしまうでしょう。

この絵本のぼくのパパの仕事は、「わるもの」であるマスクをかぶった悪役レスラーです。
前作の絵本で、この衝撃の事実を知ったぼくに、「パパはがんばってわるいことをしているんだ」と教えてくれます。
「わるもの」がいないと正義の味方は活躍できない。
プロレスを見にきているお客様を楽しませるため、パパは「わるもの」になると息子に伝えるページが私は大好きです。
続くこの2作目で、パパは「わるもの」である自分の仕事を息子に見せたいと試合に連れて行きます。
「パパは、わるもののチャンピオンだ。」と胸をはるパパの姿を息子はかっこいいと思いました。

1作目が、静岡県のすいせん図書になったこともあるように、この絵本は表紙の恐い人から想像もつかないような温かい家族の物語なのです。
絵本は、子供たちにいろいろな疑似体験をさせてくれます。
みんなに嫌われる「わるもの」を仕事にしているぼくの大好きなパパ。
世の中にはいろいろな仕事があり、人によってその仕事をどう思うか感じ方もいろいろです。
大人が読んでもこの複雑な心情を、「わるもの」と「ヒーロー」という子供たちにもわかりやすい関係性で描いた逸(!)品です。

9/21より、この絵本を原作とした映画『パパはわるものチャンピオン』が公開されます。
絵本では描かれてはいないこの物語の背景が見られる映画や『映画ノベライズ』もおすすめです!