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『独ソ戦』 大木毅 (岩波書店)

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『独ソ戦』 大木毅 (岩波書店)

本沢合店・三方原店 統括店長:細川のおすすめ






本書は今年7月に出たばかりですが、発売わずか11日で4刷という、異例の大ヒット本
として現在注目を浴びています。

そもそも、タイトルの「独ソ戦」とは何か?というところですが、第二次世界大戦中、
ヒトラー率いるナチス・ドイツ(独)と、スターリンが君臨していたソ連(ソ)との間
で行われた戦闘のことを言います。
ただ、稀代の独裁国家同士が戦ったため、その実態は戦闘なんて甘いものではなく、
人類史上最悪ともいわれる3千万人もの犠牲者を出した、一大総力戦でした。
本書は、その独ソ戦の前史から経緯を、防衛省防衛研究所や陸上自衛隊幹部学校で講師
を務めてきた著者が記した入門書です。

本書の帯に「戦場ではない 地獄だ」と書かれている通りの、凄惨な戦闘の記述。
ドイツはナチズム、ソ連は共産主義と、互いに自らのイデオロギーを強固に信じている
ため、通常の戦争では目的を達成すれば講話を結んで終結するのに、独ソ戦は互いに
相手を「滅ぼすべき敵」という認識でしかなかったため、相手を殲滅するまで戦争を
終えることが出来ませんでした。それが、この戦いが人類史上最悪の犠牲者を出す程の
戦いとなった一番の要因だと感じました。