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『書店の未来 ―本を愛する全ての人に―』ユリイカ 2019年6月臨時増刊号 総特集

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営業本部

『書店の未来 ―本を愛する全ての人に―』ユリイカ 2019年6月臨時増刊号 総特集

営業本部:野尻のおすすめ

 

本を愛するすべての人に。
そして書店を愛するすべての人に。


なんて読み応えある特集。
本との出逢いや書店の愉しみ方、地方書店の在り方、出版業界の動向、再販制度、街から消えていゆく書店、街に書店を残す活動・・・etc。
この業界が抱えている数々の問題のごく一部を、この本では語り合い、問題提起している。


世間一般の書店の未来に対する印象は、おそらく暗いだろう。
それは、下降の一途を辿る本の売上、減り続ける書店の数、ネットとの関係性などから考えて当然のことと言えるかもしれない。
しかし、私は個人的に悲観などしていない。
むしろ、この厳しい状況を楽しみながらここ数十年で一番未来を感じている。
世界中の全てのものにつながることができる、数少ないコンテンツである「本」をリアルで取り扱うことのできる書店では、今までにやっていないことの方がまだ多く、書店という空間に新たな価値を生むための方法は山のようにあると思う。普遍性と多様性を大切にしつつ、新しい書店の在り方を考えて実践するときが来ている。そう思う。


私のいる書店、谷島屋はあと2年で創業150年を迎える。
我々谷島屋には、老舗意識を排し、新興店としての意義に燃えて「常に新しい店」たらんとす、という経営理念がある。
私は、社の理念に基づき、この地の皆様にご愛顧いただいて商いを続けてこられたことに感謝するとともに、新しい書店の在り方を打ち出し文化交流のHubとしての役割を担うことで、お客様へ恩返しをしたい。
本気でそのように考えている。


変化に対応できる力こそが安定。
リスクを恐れず、動き、学び、時代の流れを取り入れた「書店」を創る。


この特集の後半に出てくる、「未来は、きっと、明るい」。
谷島屋もそう信じて疑わない。
だからこそ、2020年も良い本をたくさんお客様にご提供し、新しい書店の在り方を模索し実践していきたい。
お客様が本と直接出逢える、「本屋」の明かを灯し続けるために。