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『イマジン?』有川ひろ(幻冬舎)

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『イマジン?』有川ひろ(幻冬舎)

営業本部:野尻のおすすめ

 

売れている作家さんの小説を意図的に読まなくなっていた。
毎月毎月読みたい本が多すぎて、読んでも読んでも読み足りない。
そんな中、本来の「読みたい!」という欲求とは別の想いが働き、僕なんかが応援しなくても多くの方が読んでいるからこの作家さんの本はまたいつか・・・。
なんていうどこ目線の何目的かわけのわからない理由で何人かの作家さんの本をここ数年読まなくなっていた。
そんな代表格のお一人が有川ひろさん。
(かつては塩・空・海、レインツリー、図書館戦争などたくさん読んでいたのだが・・・)
事実、僕なんかが応援しなくても日本中にファンが大勢いて、書店員にもファンがたくさんいる。
でも、自分が本を読む理由は、少なくとも「応援したい」が本来の理由ではなく、ただただ面白い本を読みたい!だったはずだ。
そんな迷子の自分の横っ面を張り飛ばしてくれた有川ひろさんの最新巻がこの『イマジン?』だった。


いやぁ、面白いわ。
1日であっという間に読み終えた。いや数時間で集中して一気に読んだ。
読みやすいし、面白いし、笑えるし、ホロってくるし、感動するし、登場人物みんな個性的で魅力的だし。
色々な過去の作品にも繋がっているのだろうなぁと思うのと、ご自身の作品の映像化への思いもきっと込められているのだろうと読み取れるのだけれど、すごくよかった。
そしてちょっと反省した。僕もよくわかったふうに、「あれは原作が最高だから、映画は観たくないな」「映画観たけど、原作のイメージと違う」などと偉そうに思っていた。


観る人の権利も観ない人の権利も等しく尊重されるべきであって、その権利を行使すればいいだけ。
映像化に関わっている人の気持を傷つける免罪符として原作を振りかざしてはいけない。
映像化をきっかけに原作を読んでくれる人も事実たくさんいて、原作からでも映像化からでもいいものを知るのは縁。


これすごく納得がいくし、読むだけ・観るだけの自分はただただそれを楽しめばいいのだ、と改めて思った。
本当にそうだわ。これを作品に落とし込んだ有川さんはやっぱりすごいや。

個人的には、小学校1~4年生まで過ごした航空自衛隊松島基地のシーンが、パイロットだった亡き父との思い出も重なり良かった。。。


今回は幻冬舎さんが事前にプルーフを送ってくださり、久しぶりに有川作品に触れる機会を得た。感謝です。
今後はまた、自らの選択で読み続けようと思います。