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『プラスチックのうみ』 ミシェル・ロード ジュリア・ブラットマン 川上拓土 磯辺篤彦 (小学館)

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バイヤー(児童書)

『プラスチックのうみ』 ミシェル・ロード ジュリア・ブラットマン 川上拓土 磯辺篤彦 (小学館)

児童書バイヤー:井澤のおすすめ



はじめてこの絵本を手にしたとき、真っ先に感じたのはいたってシンプルで、「なんてきれいな青色の絵本なんだろう!」でした。
けれどもよく見ると、その海に浮かんでいるのは、買い物袋やペットボトルなどのプラスチック製品で、それはプラスチックのゴミでした。
この絵本では、そのゴミの海で暮らす魚やアザラシ、ウミガメが描かれています。
そして、どのページも「ぼくたちがすてたごみのなかで・・・」という一文ではじまり、何回もこのフレーズが繰り返されることに意味があるのだと私は思いました。
「ぼくたち」の部分を読むたびに、他人事ではないという感覚が増してきます。

谷島屋でもレジ袋が有料化となり、実際にお客様にお声かけをしてみると、思っていた以上に多くのお客様がレジ袋が不要であることがわかりました。
今までは「必要」と思っていた物事は、視点を変えることにより「無くてもいいもの」になる場合があります。
その視点を変えるきっかけに出会えるかどうかが重要なことなのではないかと思いました。
この絵本は、絵本を読む子供たちに、今、海で何が問題になっているのかを伝え、私たちは何をすべきなのかを教えてくれる絵本ですが、私には、物事が変わるタイミングで、視点を変えてみることも必要だと気づかせてくれるきっかけとなった1冊でした。
まったくもって私事になってしまいますが、この1冊のきれいな青色の絵本との出会いが、地球を救うきっかけとなるだけでなく、誰かの心を救ってくれるきっかけにもなったように、1冊の本との出会いは大切だなぁと改めて感じました。