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『トマトさん』 田中清代 (福音館書店)

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バイヤー(児童書)

『トマトさん』 田中清代 (福音館書店)

児童書バイヤー:井澤のおすすめ



あつい!!ようやく夏がきたと思ったら連日うだるような暑さが続いています。

幸い私は朝の通勤時だけですが、その暑い日差しを浴びるたびに子供のころの夏休みの日々やジリジリと焼けるような熱いグラウンドの記憶など、昔なつかしい道を通っているせいかなぜか生涯の「あつ~い!」と感じた数多くの記憶の断片が私の頭の中をぐるぐると巡っています。

そんな記憶のひとつにこの絵本のトマトさんのその強烈な表情が舞い込んできました。
正直最初に見たときはちょっと苦手な顔で(トマトも食べれないし・・)そんなに注目はしていなかったのですが、田中清代さんの他の絵本を見るようになってからまた「トマトさん」に戻ってみると見え方が変わっていました。
この絵本の見どころはなんといっても、一人で動けず涙を流していたトマトさんが、みんなに助けてもらい、ようやくごろんごろんと小川に向かって転がり、待望の水に入ったときのなんとも言えないその涼しげな表情!
このトマトさんの水にも幸せもに浸っている表情が私の頭の中から離れなくなってしまったくらい強烈に覚えていました。
きっと、暑さから解放され水に入った瞬間の気持ちよさ、子供の頃の川やプールの水に入った瞬間のひやっとしてからくるあの冷たくて気持ちいい心地良さの感覚がこのトマトさんの絵本で感じとれたからでしょう。

みなさんもぜひこのトマトさんの幸せに浸っていただき、ほんの一瞬でも涼しげな気持ちになってくれたらいいなと思います。