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『ザリガニの鳴くところ』 ディーリア・オーエンズ 友廣純 (早川書房)

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本沢合店

『ザリガニの鳴くところ』 ディーリア・オーエンズ 友廣純 (早川書房)

本沢合店・学参担当:犬塚のおすすめ





湿地帯で、アメフトのスター選手の死体が発見され、疑いの目はそこに住む“湿地の少女”と呼ばれ人語も解さぬ野蛮な者と噂されてきたカイアに向けられる。
父の暴力により、母が逃げ、兄弟が去り、やがて父もいなくなる。
一人で暮らし文字も読めない書けないカイアは、湿地帯で出会ったテイト少年によって、読み書きを覚え自然で学んだことを本にするまでになる。
やがて名誉博士号を与えられるまでに成長し64才で死んでいく。
「雌のホタルは偽りの信号を送って別種の雄を誘い彼を食べてしまう。」
「カマキリの雌は自分の交尾している相手をむさぼり食う。」
この自然界の掟とも言うべき言葉が、この小説のすべてを物語っている。
自然とは、宇宙とは、そして人間とは、遺伝子に組み込まれた善と悪。衝撃的な結末は読む者の推理を見事に裏切ってくれる。
そして、この作者のデビュー作が69才というのも驚きでした。