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『やねうらべやのおばけ』 しおたにまみこ (偕成社)

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バイヤー(児童書)

『やねうらべやのおばけ』 しおたにまみこ (偕成社)

児童書バイヤー:井澤のおすすめ



ある古い家の屋根裏部屋に、ちいさなおばけがひとりで暮らしていました。
部屋の中はすいすいとびまわっていても、部屋の外の世界は少しこわいそうで、空をとぶことはめったにありませんでした。
ところが、ある夜、大きなお月さまに惹かれて思わず部屋からとび出してしまったことがありました。
そしてこの次の日から、おばけの一人気ままな日常に変化が訪れます。
それまで自分一人だけの空間だった屋根裏部屋に、この家に住む一人の女の子が屋根裏部屋に入ってきて・・・というお話。

私がこの絵本で注目していただきたいところが、このおばけの表情やその愛らしい姿です。
一人で気ままに暮らしているときの満足そうな顔、女の子が入ってきてからの不満いっぱいの顔、必死に考えている姿、名案が浮かんだときの表情、女の子と知り合ってからの少しはずかしそうな姿など、文字を読まなくてもこのおばけの表情を見ているだけで、友だちができるまでの過程が伝わってきます。

はじめて体験する「明日、いっしょに何して遊ぼうか?」
と考えていると眠れない感じや,明日がくるのが楽しみに感じることなど、まさにこの絵本の帯のコメントにあった「ともだちができる瞬間って、こんな感じだ。」という一文がとてもぴったりな絵本だと思いました。

この絵本も当店でお客様が購入してくれたから私がきちんと向き合えた絵本。
お店に立ち寄ってくれたお客さまが私に教えてくれた大切な絵本のひとつになりました。