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『南総里見八犬伝 1』 松尾清貴 (静山社)

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『南総里見八犬伝 1』 松尾清貴 (静山社)

パルシェ店・店長:八木のおすすめ



なんとなく知ってはいた、国語とか歴史の授業で、出てくるタイトルだったし。
読んでみようかな、と思うことはあったけれど、古文では難しいし長いし、かと言って「1冊で~」「1時間でわかる~」と、まとまりすぎているのも居心地が悪い。
などと言い訳しながら触ってこなかった物語だった。
きっかけは娘。学校図書館で、ダイジェスト版を読み、興味を持ったそうだ。現代語訳されたもので、脚色が少なくて、そこそこのボリュームで、と探していたら、刊行中の当シリーズに行き当たった。

室町時代、応仁の乱に揺れる頃の関東で、仁義礼智忠信孝悌八つの玉を持つ者が時代と犬の呪いに翻弄されながらも戦う、活劇。武士の戦だし、打首切腹、ちょっと刺激が強くはないかなと心配したものの、あっという間に読み切って、続刊もその日のうちに読んでしまうほど。
そんなに面白いのかと自分も読んでみたら、なかなかの読み応え。主人公のあまりの境遇につらくなりつつも、落ち着いた時間がないのでは、というくらい盛り沢山の展開に見事に引き込まれてしまった。八犬士とは関係ないが、網乾左母二郎という人物、この人のしょうもなさが気に入ってしまった。


現在4巻まで刊行、来年刊行予定の5巻で完結だそうです。
年末年始、以前は6時間時代劇などテレビで放送していましたが、その代わりのまとめ読み、いかがでしょうか。