皆さんは、『 ウィリアム・ダンピア 』をご存じでしょうか。
僕はまったく知りませんでした。
１７世紀に実在した、
海賊であり、探検家であり、博物学者であり、作家である。
といった、人物です。
本書は、
ダンピアの代表作である、
「最新世界周航記」
を、もとに、フィクションの物語として再構成されています。
様々な地域の観察記録の中でも、特に食物を中心として描かれており、
これが本当に面白いんです。
まだまだ世界が発見であふれていた時代。
知的好奇心の塊のようなダンピアが、
私掠船（国家公認の海賊船）の乗組員として世界の海を渡っていきます。
食糧難に陥りやすい船上では、普段食べない生き物を口にすることも・・・。
「知るってことは生きる力だから」
と、ただ怯えて何もしない（食べない）のではなく、体験する（食べる）ことで、
怯えない明日をつくる。
その姿は、
石橋を叩いて渡らないこともある自分にはなんとも眩しく、
誰も知らない物事で満ちている未開の土地。
その最初の探検者になれることを、
「この上ない幸運の上にたっている。」
と言ってのけるダンピアの姿に、ハッとさせられました。
「このマンガがすごい！２０２１」オトコ編 第６位
「ＷＥＢマンガ総選挙２０２０」 第４位
に推されるのもうなずけます。
是非一度手に取っていただきたい１冊です。
（現在、２巻まで出ております）