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『まよなかのトイレ』 まるやまあやこ (福音館書店)

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バイヤー(児童書)

『まよなかのトイレ』 まるやまあやこ (福音館書店)

児童書バイヤー:井澤のおすすめ



夜中にトイレに行きたくなってしまったひろこは、お母さんを呼びますが、お母さんは赤ちゃんのおむつをかえていている。
そこでひろこは「ひとりでおトイレいってみる」と勇気を出しました。

夜中に暗い家の中を一人で歩く怖さは、みなさん想像がつくのではないでしょうか?

真っ暗な廊下で、ひろこは「ドアの模様がこっちをにらんでるような気がした」と感じます。
このシーンには共感しかありませんでした。
私も、夜中に目が覚めてしまったときに天井の木目の模様が何者かの「目」に見えてしまい、とても怖かった記憶があります。子供たちの日常生活におこる出来事が、ぬいぐるみや動物たちから優しい声をかけられるようなファンタジーも含めて描かれていて、こういったお話の絵本に久々に出会えたなぁと思いました。

最近は、ユーモア的な絵本や大人が好むような新刊絵本ばかりに注目があったような気がしていたのでうれしくなりました。
今私が勤務するお店はご年配の方が多いので、実際に売れている絵本を聞かれた場合、人気の絵本をご紹介するよりも、こういった幼い子供や動物たちが出てくる絵本をご紹介すると、共感してくれることが多くてほっとすることもあります。
最後は、ひろこがトイレを済ませて、おかあさんにも褒められその後安心して「おやすみなさい」をすることができます。

絵本を読んでもらった子供たちにもその「安心感」が伝わるようなとってもやさしい絵本ではないでしょうか。