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『52ヘルツのクジラたち』町田その子(中央口論新社)

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『52ヘルツのクジラたち』町田その子(中央口論新社)

営業本部:野尻のおすすめ

 


『52ヘルツのクジラたち』

第18回本屋大賞受賞作。
大賞受賞作はどれも非常によく売れるが、この『52ヘルツのクジラたち』は、近年の受賞作品の中でも圧倒的に売れている。

物語は、田舎町に一人移り住んできたある女性と、虐待を受けてきた少年との心の絆を描いた作品、とまとめてしまうには無理があるだろう。現代社会が抱えているあまりに多くの社会問題を、リアルで自然に物語に入れ込んでいるため、そんな簡単に語れる作品ではない。
しかし、重すぎて読後明日への足取りが重くなるような作品でもない。
いや、むしろ明日への生きる活力を与えてくれる作品だ。

この小説を読む上で大切な情報は、「52ヘルツのクジラ」の存在。
それは、他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く、世界一孤独だと言われているクジラのこと。
それを踏まえて物語を読みすすめると、なんとも言えない思いが押し寄せてくる。


虐待のような「人」が起こす重大な問題・犯罪や、LGBTへの偏見のような「人」の中で起きる社会問題に対し、真っ向から対峙したような、いや、その当事者たちの声にならない声、誰にも届かない声、を、52ヘルツのクジラたちの鳴き声に重ねることで、厳しく辛い思いをしてそれでも今を生き抜いている人に寄り添った物語ではないだろうか。
どんな問題だってそれを起こすのはいつだって「人」で、それが起きるのはいつだって「人」の世界の中。でもそれを解決できるのも「人」。
この物語の根幹には、「人と人とのつながり」「命」「生きる」ということがすごく重要なテーマになっている。そう感じた。

まさに時代が求めていた作品。
そんな気がします。



そして、本屋大賞受賞作といえば映画化。
この『52ヘルツのクジラたち』も映画になってほしいな。
そして、映画になったら、この曲が主題歌になったらうれしいな。
ということで一人勝手に、映画化したらこの曲を主題歌に!!と。

ROTH BART BARON(ロットバルトバロン)
極彩|IGL(S)

その理由は、こちら


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