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『異世界おじさん 1』 殆ど死んでいる (KADOKAWA)

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『異世界おじさん 1』 殆ど死んでいる (KADOKAWA)

富士宮店・店長:河合のおすすめ



あーはいはい異世界ね。
わかってるわかってる。タイトルがあらすじになっているパターンね。
でもタイトル簡潔でいいじゃん。流行りもののワードが多すぎると検索するのに大変だからね。
今だと「悪役令嬢」とかね。本日発売コーナーに「悪役令嬢」が3人並んじゃったりして。
おじさんが転生(転移)して無双するんでしょ?
何の努力もしないで圧倒的な力を手に入れてかわいい子に囲まれて悪者を懲らしめたり
裏切ったやつらに復讐したりもしますわな。
当然地位や名誉も転がり込んできてチヤホヤされて。
そうそう疲れているもんね、物語の中だけでもいい思いしたいじゃんね。
何が悲しくて娯楽でしんどい物語を読まなきゃならんのよ。しんどいのは現実だけでおなかいっぱいだもんね。
わかるわかるよご同輩!

すいませんでした自分全然わかっていませんでした。
少年が異世界に転移して17年、「彼にとっては」地獄のような経験をして、
現代社会に置き去りにされ家族にも見捨てられた「おじさん」になって戻ってきたというお話で、
ちょっと今までの異世界ものとは毛色が違う。
一筋縄ではいかない。でもめちゃくちゃ面白い。
あと「S〇GA」とか「サ〇ーン」とか「メガ〇ライブ」とかの伏字がちゃんと読める人、
またはその手の造詣が深い「ふるきものども」はもっと楽しめるし、
作中に散りばれられたネタに恍惚となるだろう。
さらにいうなら画力が凄い。一部のキャラに、というか女の子を描くときの気合の入り方が凄い。
もうあからさますぎて笑える。


そして、すべての出来事は「受け取り方」によって「天国」にも「地獄」にもなり得る、
という教訓の物語でもある。

いつもの「異世界」に飽きたあなたにオススメです。