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『フールナイト 1』    安田佳澄  (小学館)

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バイヤー(コミック)

『フールナイト 1』    安田佳澄  (小学館)

コミックバイヤー:阿部のおすすめ



人間が植物と一体化してモニュメントのようになる世界。

文字で書いてどれくらい伝わるか全く自信がないですが
インパクト凄い。
どれくらいかっていうと
みんな大好きドラマ版ハンニバルの人間トーテムポールなどにみられる人体破壊レベル
もしくは「アナイアレイション」という映画の極彩色な風景に同化している生物だったもの絵的に近似値かなと。

とにかくこんなにフルカラーで読んでみたい漫画もない。
きっともっと美しい。

物語は空を厚い雲が覆い100年経った世界という設定。
光合成から酸素はつくくことはかなわず
植物はほぼ死滅
その植物の養分として人間(の魂)提示された。
世界は満場一致とはいかずともその選択を良しとした。

人間だけがエサとならない世界などないわけで。
オブラートに包んだ人間の狂気を見せつけられたようでゾクゾクします。

そんな世界でやはり持たざる者(金銭的)は養分(餌)となるわけで。
もちろん表向きはにその対象には病気等で寿命の短い者となってはいますが。

種を植え付けられた人間はおおよそ2年がかりで植物となる
これを「転花」といい植物となった人間を「霊花」と呼ぶ。

しかしこれはあくまでも標準的な事例であり
イレギュラーは発生する。

このイレギュラーがまた多くの問題や悲劇を絶望を生み出すのか
それとも一筋の光明となるのか。

まだ2巻までしか発売されていない本作
SFミステリーな感じと人間としての在り方も問う、心を鷲掴みする物語です。

ぜひぜひ読んでいただきたい!

そして個人的にはアレックスガーランド監督(アナイアレイション、エクスマキナの監督)映画化してほしい。