めちゃめちゃ面白いですよ!!
…なんて言葉でおすすめするのはなんだか違う気がするけれど
(そんなパッションは持っていたいけれど)
でも間違いなく面白くてわくわくして、
頁をめくる手は止められないけれど、
池辺さんが丁寧に描く
やさしくて美しい世界を見逃さないよう
意識的にゆっくりゆっくりと。
大量生産から20年の時が経ち
ヒト型AIが廃棄されてゆく中、
占い師の斗音さんに拾われ
喫茶店の住み込みバイトとして働く
和音の穏やかな日常。
あたたかい会話や描写の中で
時折チラつく不安な光景。
誰も望んでいないのに
和音を大事に思っているのに
彼女の中にある当然が切ない。
まわりの人達の愛が
和音にもっともっと届きますように。
こんなに望みながらも本当に、
誰かが自分に与えてくれる優しい想いを
その想いのままに受け止めるのは
「人間の私にだって難しい」。
優しい世界をずっと見守っていたい。
何度も何度も読み返したくなる一冊です。