揺れ動く心に振り回され、鼻息に舞う羽毛のような頼りない感覚。
なんだかしんどい。このやりきれない思いはどこから来ているのか。
いったいどうすれば解決できるのであろうか。
本書の序盤で、割とあっさりと原因が判明する。
「あぁ、なるほど」だ。
腑に落ちる、とはこのことかもしれない。
そしてそれは出処を正しく理解して段階を踏んでいけば解決できる、と述べられていて。
ちょっと安心した自分に気づく。
ブッダの教え、原始仏教、瞑想、心理学、認知行動療法、マインドフルネス・・・
古代の叡智と現代の学問、アプローチの仕方や表現の違いがあるだけで根っこは同じものなんだろうなぁ、とつくづく思う。
相当に気を使って書かれたと思われる非常に平易な文章で理解しやすい上に、
宗教色が薄いのもまたいい。
難解な表現で煙に巻くこともしないし、
丁寧にわかりやすく、もったいぶらずに実践的な「練習方法」を教えてくれる。
それでもすぐにできる人はたぶんいない。
だからこその「練習」なのだ。
今も昔も人の心はままならぬもので、自分も同じ問題に取り組み続けるのだろう。