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『まよなかのゆうえんち』 ギデオン・ステラー マリアキアラ・ディ・ジョルジョ  (BL出版)

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バイヤー(児童書)

『まよなかのゆうえんち』 ギデオン・ステラー マリアキアラ・ディ・ジョルジョ  (BL出版)

児童書バイヤー:井澤のおすすめ



この絵本が私の店に入荷したのは12/16の金曜日。クリスマスを一週間後に控え、
週末の集客はちゃんとあるだろうか?と不安な気持ちと忙しさが入り混じった日々が続いていました。
そんな精神状態のときに私の元にやってきたこの絵本になぜか惹かれるものがありました。

品出しをする前にパラパラとめくってみると文字のない絵本で、文字がないおかげか、
この絵本の世界がすぅっと体に入ってきたような感覚がありました。
動物たちのすむ森に移動遊園地がやってきました。
動物たちは、人間たちが楽しそうに遊んでいるのを森の奥から眺めています。
そして夜、人間たちがいなくなり、しずまりかえった真夜中の遊園地では
いったい何が起きているのでしょう・・・。
この絵本の絵がふんわりとしたタッチで描かれているので、
私がまるで絵本の世界に入って、さっきまでの動物たちのように、
暗闇の中に光り輝く動物たちのシーンを遠くからこっそりと眺めているような気分になりました。
ふんわりとした絵の中でも動物たちの表情はとても豊かで、
文字がなくてもきっとこんなことを話しているんだろうなと想像ができます。

不安な気持ちを抱えていた私には、この幻想的な世界が浸透し、
とても穏やかな気持ちになった感覚を今でも覚えています。
忙しい毎日に疲れている大人の私にはこのように感じましたが、
子どもたちにはいったいどんなふうに感じるのか知りたくなる絵本でした。