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『霜月記』   砂原浩太朗  (講談社)

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本沢合店

『霜月記』   砂原浩太朗  (講談社)

本沢合店:犬塚のおすすめ




今回も美しい装丁に心をうばわれました。「神山藩シリーズ」三作目。


名判官といわれた祖父 左太夫は隠居の身、父は突然失踪してしまい十八歳の若さで町奉行となる
草壁総次郎を中心に親子三代のもどかしい関係の中、殺人事件が起きる。

遺体のそばに落ちていた物と切り口が失踪した
父 藤右衛門に関係している状況に祖父 左太夫は疑いを持ちはじめる。
祖父と孫がともに事件の真相を追い求め、北前船の商家におもむく。
そこで意外な真相にたどりつく。
事件が明らかになり、思いを口にするのが苦手な男三人の中に、親子の血が静かに通いはじめるのでした。

「さまざまな思いとぶつけ合った方がいいには違いないが、億劫でもあるし照れくさくもある。
人と人との隔たりは、ただ埋めればいいというものでもないだろう」(文中より)
最後のやり取りが心を温かくしてくれました。