『 佐々田は友達　１』 　 スタニング沢村　　　（文藝春秋）

主人公は地元の高校に通う2年生の女の子。
個性あふれるクラスメイトがひしめく教室での彼女の立ち位置はさながら浮雲のよう。
ふわふわとぷかぷかとあたりさわりの無いよう、なりを潜め、ただよっている。
そんな彼女とは真逆のクラスメイト、強烈で鮮烈なカノジョとの交流はある日突然はじまった。
2人の起こす化学反応がたどたどしくもまっすぐでとても心が洗われる。
しかしそれだけではない波乱を予感させる伏線を残しつつ以下次巻という終わり方であった。

遠い昔の学生時代を振り返ざるをえないノスタルジックを誘う作品だ。
少なくとも地方で学生生活を送った人の感慨に触れる作品であることは間違いない！
あの40数名の個人を詰め込んだ〇年◎組という団体は今思えば個性の塊だったなあとついつい自分の昔を回顧してしまいました。