私が初めてイソップ童話を読んだのは、親戚のお姉さんのお下がりの本で、幼稚園のころだったと思います。
とてもよく覚えているのは、「よくばりないぬ」を読んだ後、「え?これで終わりなの?」
とあっけにとられたこと。
ただ犬が口にくわえていた肉を川に落としてしまっただけでお話が終わってしまったことにとても
びっくりした記憶があります。
何度もくり返し読んでみたけれど、ぜんぜん意味がわからなかったようです。
「うさぎとかめ」は、当時の私の中では、うさぎ>かめだったようで、
うさぎが負ける結末がとにかく不快でした(笑)
かめが勝つ結末を素直に受け入れることができず、かめを称えるよりうさぎに対して
「なんで頑張らなかったの?」と責める思いの方が強かったような気がします。
「きたかぜとたいよう」のお話には、とても感心した記憶があります。
これは内容が理解できる年齢のときに読んだのでしょう。
「きんのおのぎんのおの」からは、いつでも神様はこちらを見ていて
「正直」でいないといけないと思い知らされたお話のひとつです。
けれど、「おおかみしょうねん」のお話のうそつきの男の子に対しては、
ただただかわいそうで、泣きたい気持ちになりました。
うそをついてきたことが悪いということよりも、村人たちに本当のことを伝えても信じてもらえないことの方が
悔して悲しかったんだと思います。
というように、振り返ってみると、どうやら私は自分ひとりでイソップ童話を読んできていたようで、
自分勝手な解釈ばかりでした。
イソップのお話の中には、人生で役に立つ知恵や教訓がたくさんつまっているので、
子供たちにその意味を伝えてあげるところまでがセットだと思いました。
この絵本では、ありがたいことに、ひとつひとつのお話の最後に、
ちいさな文字で伝えたいことが書かれています。
この部分を幼い子供たちにどう伝えられるかも大切なことなんじゃないかと思っています。
