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『ウミガメものがたり』 鈴木まもる(童心社)
バイヤー 細川のおすすめ
当社がある浜松市には、ウミガメの産卵地として有名な中田島砂丘がある。そんな、地元とも縁の深いウミガメの一生を、美しい絵と共に紹介しているのがこちらの絵本。
テレビ等で多くの方も見たことがあると思うが、ウミガメは産まれてすぐに“弱肉強食”の世界に放り出される。海にたどり着く迄に、鳥やカニといった捕食者に大半が食べられてしまい、海中に無事に入れたとしても今度は魚に襲われたり、人間の漁師が仕掛けた網に引っかかるなどして命を落としてしまう。20年くらいかかってやっと大人になるのだが、大人になってからもサメに襲われたりと壮絶なサバイバルである。そんな中を生き延びることの出来た、本当に僅かな個体だけが、1年程かけて自分が産まれた場所へと回帰し、そこで産卵をする。
知れば知るほど過酷な運命であるが、「生きる」ということの素晴らしさを実感し、感動出来る一冊です。