学生時代は理系科目が好きで、なかでも数学や生物が好きだった。
文系科目では古文や現代文が苦手(今では書店員なのに)で、特に古文の~活用等
は覚えるのに大変苦労した記憶がある。
ただ、歴史だけは戦国時代好きの祖父の影響からか、唯一と言ってよい程好きで、
高校時代は世界史を選択した。
高校の世界史の教科書はオリエントから始まり、ある程度の時代まで進むとまた別の
地域(例えば中国)に切り替わり、そこもある程度まで進むと次はヨーロッパといった
感じで目まぐるしく時間軸と地域が変化していく。
テスト前等は暗記するのが精一杯で、教科書自体は楽しいと感じたことは一度もない。
それよりも資料集をずっと眺めて、縦軸や横軸を自分なりに整理しているのが好きだった。
友人達も同じようなことを言っていて、要は頻繁に国や地域が変わるため、途中で国や地域
同士の繋がりが分からなくなると言っていた。
本書では、大航海時代(世界が一体化した時代)迄はヨーロッパ等の地域毎のストーリーとして
一塊で進み、その後は近代、現代と一つの流れとして世界中を俯瞰する。
年号を敢えて入れずにストーリーを進行していく流れも画期的だ。
(巻末に年号も覚えたい人向けの一覧表が掲載されている。)
個人的には、大人の「やり直し世界史教科書」の感が強いが、今迄世界史と聞くだけで敬遠していた方、
短時間で世界史の流れを掴みたい方にはうってつけの一冊だと思う。