Javascriptが無効になっているため、正常に表示できない場合があります。

『月まで三キロ』 伊与原新 (新潮社)

login
店員のオススメ

営業本部

『月まで三キロ』 伊与原新 (新潮社)

営業本部:野尻のおすすめ

2018年12月21日発売予定!



書店人としてどうしても売りたくて、一人でも多くの人に手にとってもらいたい、
との思いから、発売前の新刊を初めてオススメにあげてみた。


地元浜松が舞台になっている短編があるとのことで、出版社さんから発売前のゲラを読ませて頂いた。
伊与原新さんの小説は、気にはなっていたけれど、今まで読んだことはなかった。
イメージとしては、理系のミステリ・SF作家だと勝手に思っていたので、この「月まで三キロ」にはやられた。
表題作の「月まで三キロ」とうタイトルは、浜松にお住まいの方だとひょっとしたらピンとくるかもしれない。
私はすぐにピンと来たが、まさかこんな物語に仕上がるなんて予想も出来なかった。



「乗り越えられない悲しみというのが、この世にはあるんですね」
と、息子を自殺でなくしたタクシー運転手の父親が、そこから他人事にように語る深い悲しみと、戸惑い、そして静かな決意に涙腺が崩壊した。
会社帰りにお酒を飲んでほろ酔い気分の夜、帰途につくバスの中で読みながら、みっともないくらいに泣いてしまった。

子を持つ親として、何より恐れているのは子どもがいじめに遭うこと。
そして、そのときに自分が無力であること。
愛してやまない我が子が、まるで38万キロ離れた月との距離のように離れてしまうことほど怖いことはない。


読後、子どもたちに、しっかりと愛を伝えること。
そして、「死ぬまで生きること」を教えていきたい。
そう思いました。