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『てぶくろ』 エヴゲーニ・ミハイロヴィチ・ラチョフ 内田莉莎子  (福音館書店)

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店員のオススメ

バイヤー(児童書)

『てぶくろ』 エヴゲーニ・ミハイロヴィチ・ラチョフ 内田莉莎子  (福音館書店)

児童書バイヤー:井澤のおすすめ



毎年、クリスマスのギフト絵本コーナーを陳列していると、必ずこの絵本を置きたくなります。
ギフト絵本には、クリスマスの絵本の他、「大好きな気持ちを伝える」お話や「思いやりの大切さ」を感じるお話が選書されている中、この絵本は、お客様が「冬の絵本」や「絵が美しい絵本」を贈り物としてイメージできるようにクリスマス絵本と一緒にならべています。
そして私の中ではもうひとつ大事な理由があり、それはこの表紙の絵と色に役割があるからです。
クリスマスカラーの赤・みどり・紺色・白の絵本がたくさんならぶ中、このあざやかなやまぶきいろが入ることにより、まわりの絵本の見栄えが良くなりますし、遠くから見てもこの絵本が視界に入ってくるように感じるからです。
表紙の絵も、古典的な飾り枠で囲まれ、てぶくろの中から可愛らしいお顔をのぞかせるうさぎやねずみたちが描かれ、昔ながらの品の良さを演出してくれているので、この絵本コーナー全体も同じような雰囲気になり、お客さまが絵本を魅力的に感じ、誰かに素敵な絵本をプレゼントしたくなるような気持ちにしてくれているように私には思えるのです。
お話はとってもシンプルで、くり返しを大切にした昔話の絵本の代表作として今でも語り継がれています。


どの絵本を選書して陳列するかは正解なんてない担当者のお仕事ですが、その本屋全体の雰囲気にも影響を与えます。
たくさんのお客様が、子どもたちに絵本を読ませたいと思ってくれるような雰囲気を作るのも児童書担当者の仕事のひとつだと私は思っています。