![](/hs_data/Image/%E5%BA%97%E5%93%A1%E3%81%AE%E3%81%8A%E3%81%99%E3%81%99%E3%82%81/12%E3%80%80%E6%9C%AC%E6%B2%A2%E5%90%88%E5%BA%97/beicyumositatakawaba.jpg)
最近、ニュースや雑誌等でよく“米中貿易戦争”という言葉を目にします。
アメリカと中国が、相互に相手を批判し、追加関税をかけ始めたことを言うのですが、
これはただの経済的な争いではなく、世界の覇権国家たるアメリカに対し、新興国の
中国がその座を奪うべく始めた覇権争奪戦の前哨戦だと言われています。
関税等で経済的な争いだけに留まればよいのですが、お互いに覇権をかけた戦いとなると、
必ずそれが軍事的な、現代で言えば核戦争にまで発展する可能性があるというのが、本書
著者の言うところです。
これがただのSF作家の小説ならいいのですが、本書の著者であるピーター・ナヴァロ氏は、
現在のトランプ大統領の大統領選挙の時から同氏のアドバイザーを務め、現在はホワイト
ハウスで大統領補佐官に就任している、実際のアメリカの外交政策の舵取りをしている人物
です。
世界史を見ても、覇権国に新興国が立ち向かう際は70%の確率で覇権争奪戦、つまり戦争が
起きているそうで、古くはスパルタとアテネ、イギリスとドイツ等、いずれも国運をかけた
総力戦となっています。
米中はいずれも軍事大国で核大国でもあり、もしも両国が戦争になればこの日本だけでなく、
世界が滅亡の危機に陥ることでしょう。
恐ろしいことに、現在の米中両国共に、本書の予測通りに政策を進めているように見え、行き
着く先が全面戦争でなければと願う、何とも複雑な読後感になりました。