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『おうさまがかえってくる100びょうまえ!』 柏原佳世子 (えほんの杜)

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店員のオススメ

バイヤー(児童書)

『おうさまがかえってくる100びょうまえ!』 柏原佳世子 (えほんの杜)

児童書バイヤー:井澤のおすすめ


新刊絵本は、お話や結末がわからないまま仕入れをしなくてはいけない場合がほとんどです。
わかっていることは、書名、作者、表紙の絵、かんたんな内容など。
事前にゲラを見せていただけたお話でも、実際に「絵本」になってから読んだときとは、
また違った印象を受けるので、私はなるべく一度読んでからお店にどう並べるかどうか決めたい派です。
以前と比べて、より適正な仕入れ数が求められる時代ですので、1~2冊の仕入れに対応できる「新刊絵本棚」を作るようになりました。
棚に入れてしまうと、お客様の目にとまる機会が少なくなってしまうので最初は心配でしたが、幸いなことに
お客様はしっかりと棚を見てくださっていて、数ある絵本の中から1冊を選んで購入してくださっています。
この絵本もお客様が新刊絵本棚から見つけてくださり、私におもしろい絵本だよと教えていただいたようなものです。

お話はいたってシンプル。王さまが外出中、家来たちは王さまの豪華なお部屋を派手にちらかし、遊んでいました。
まだまだ時間はあると思っていたら、なんと王さまが予定よりはやく帰ってきてしまったのです。
さあ、王さまが帰ってくるまであと100秒!100秒で部屋を片付けなくてはなりません。
ここから、100秒のカウントダウンがはじまり、家来たちがあわてて必死で片づける様子が笑えます。
100秒に近づくにつれて、数字の文字が大きくなり、思わず読む声も大きくなるので
子どもたちは、間に合うの??間に合わないの??のスリル感を楽しめる絵本になっています。
無事に片づけは間に合い、安心していたところ、なぜか次のページには王さまが家来たちを叱っている様子が描かれています。
どうやら、片付けたはずの部屋をよく見てみるとおかしなところがいっぱい・・・。最初のページと比べて間違いを探す楽しみもあります。
私が、甥っ子や姪っ子たちを笑わせたいと思いながら絵本を読んであげることが好きでしたので、
最初に私のお店でこの絵本を購入してくださったお客様に感謝するとともに、こういう発見を大事にしていきたいなと思っています。