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『スイミー』 レオ・レオニ 谷川俊太郎 (好学社)

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バイヤー(児童書)

『スイミー』 レオ・レオニ 谷川俊太郎 (好学社)

児童書バイヤー:井澤のおすすめ


この絵本を見れば、多くの方が思わず「なつかしい!」と手を伸ばしてしまうことでしょう。
私がはじめてこのお話に出会ったのは、二つ上の姉の国語の教科書でした。
当時幼稚園の年長さんの私にとって、姉が学校で使う教科書は、勝手にさわってはいけないものとして
認識していたので、夕飯のしたくをしている母の目をぬすんでこっそり読んだ記憶があります。
絵本と違って、国語の教科書の縦書きで書かれた文章は、年長さんの私にはとても長く感じ、
悪いことをしていると思っているので、何度も読むのをやめなくちゃ・・・と思っているのにやめられない。
スイミーが大きな魚に見つからないかのスリルがこっそり読んでいる自分と重なったからなのか
なんてすごいお話なんだ!と思ったのと同時に、自分が小学生の教科書を読めてしまったことへの喜びもあり、
いろんな意味で、お話を読んで「感動」という気持ちを体験したのはこの『スイミー』がはじめてなんじゃないかと思っています。
そして今でも私の仕事仲間との会話の中でキーワードとしてよく出てきます。
「ほら、スイミーだよ!」と。スタッフみんなの力が集まれば、いい本屋になるじゃない!と(笑)

数年後、小学2年生になった私の国語の教科書でまた同じ体験をすることに。
授業中、教科書の先のページをめくってみると、『アレクサンダとぜんまいねずみ』というお話を発見。
そのまま読んでしまい、またしても悪いことをしているのがわかっていながらも読むのをやめられない。
そして、なんて素敵なお話なんだ!と感動。その後、あの『スイミー』と同じ作者だなんて!とさらに感動するのでした。