私は自他ともに認める無類の音楽好きである。
書店員だが、本と同じくらい音楽が好きだ。
それこそ小学生の頃はご多分に漏れず、アイドルや歌謡曲もたくさん聴いたが、ただ、やはり少しだけ変わっていたのかもしれない。
一番最初に親にせがんで買ってもらったLPレコードはYMOの『X∞Multiplies』だった。友達が中森明菜や小泉今日子などアイドルのレコードを買ってもらっているなか、『RYDEEN』が聴きたくて選んだ。家で聴いていると親からも「なんか変わった音楽ね」と言われたのを記憶している。
さて、なにが言いたいかというと、そんなYMOからスタートした私の音楽履歴は現在ジャンルレス、ということ。アイドルでもパンクでも、テクノでもクラシックでも、ジャズでもR&Bでも、なんでも格好良ければ好きになってしまう。それは本を読むことと基準は全く同じで、基準は自分の感性。自分が良いと思えば、世間で酷評されていても全く気にしない。
数年前、今回紹介するこのゴーゴーペンギンに出会った。そして、そのジャンルレスなサウンドに一発で魅了された。
音楽ジャンルの中で、個人的にはジャズというジャンルは最も閉鎖的だと感じていた時代があった。
しかし、このゴーゴーペンギンはジャズをベースにR&Bやエレクトロニカ、ポストロックなどの要素を入れ、ジャズの枠を飛び出して非常に挑戦的で魅力的な音を出している。
ジャズ特有の難解さをうまく隠し、メロディーは非常に親しみやすい。
マンチェスター出身のピアノトリオ、ゴーゴーペンギン。
読書のバックグラウンドにもしっくり馴染む素晴らしいサウンドです。聴いてみてください。