私は学生の頃は理系科目が好きで、中でも生物が非常に好きでした。
高校生の時、生物の授業で豚の目玉の解剖があったのですが、女子達は悲鳴
を上げて行おうとせず、同じ班の女子の分まで(内心喜んで)解剖していた
という、ちょっと危ない(?)過去があります。
学生の頃から実験の書籍等を色々と読んでいましたが、中には本書のような
正気とは思えない、“狂気”と呼ぶべき実験がかなりありました。
特に戦争中は、多くの国が「国のために」という大義の下、数多くの残虐な
人体実験を行っていたことは、多くの方が知るところです。
本書は長い科学史の中で、科学者達が自分の信念に基づいて追及した、一風
変わった科学実験を収録したノンフィクションです。
と言っても、著者自身がことわりを入れているように、ナチスが実施したよう
な実験ではなくて“サディスティックな拷問”とでも呼ぶべきものは入っていません。
それでも、切断した犬の頭部に蘇生装置のようなものを付けて3時間以上生かした
実験や、更年期障害で訪れた患者に電気ショック療法を与えて廃人にしてしまった
実験等、グロテスクなものがかなりあります。
医学や科学の発展の影には、現代から見れば非人道的な実験によって実証された
ものが山ほどあるのだと、理屈では分かっていても、詳細を読むと心が痛むもの
も少なくありません。