『ブックオフ大学ぶらぶら学部』岬書店
書き手/武田砂鉄・山下賢二(ホホホ座)・小国貴司(BOOKS青いカバ)・Z・佐藤晋・馬場幸治(古書ビビビ)・島田潤一郎・大石トロンボ(漫画)
新刊書店員のくせに、私は今でも時々ブックオフを利用する。
書店員になる前には、この本の中に登場する方たち同様に「ブックオフ巡り」をよくした。
我々90年代に青春を謳歌した者たちにとって、ブックオフを巡るというのは確かにトレジャーハンティングだったのだ。
学生の頃はお金がなかったので、「こんな本が105円!」「このCDが105円!」などと、騒いでは好きな本やCDを買い漁った。
いやぁ、懐かしい・・・。
そして、今はというと、当時好きだったのに今じゃ残念ながら我々新刊書店では手に入らなくなってしまった、いわゆる絶版本や品切れ重版未定本を探すときに利用している。
好きだったのに何故か手元からなくなってしまった本(誰かにプレゼントしたのか、猫にかじられて処分したのか・・・)で、どうしても読みたくなった本を探しにブックオフに行くと結構見つかる。
先日は、花村萬月の「ゴッドブレイス物語」「渋谷ルシファー」「風に舞う」の初期3作品を突然思い出し、読みたくなった。
確か全部持っていたな、と思い、家の本棚を探したが見つからない。
こうなったらもう止まらない。読みたくて仕方がない。
出版社の在庫を調べてみるも、品切れ重版未定。
新刊書店で買えないのならば仕方がないじゃないか、と誰に対する言い訳かよくわからない理由を家族に述べて、いざブックオフへ。
あったあった。
ぜ~んぶ110円。いやぁ、嬉しい。楽しい。
これぞ宝探し!
喜び勇んで自宅に帰り、散らかした本棚を整理してから、読み始めるか!
と棚整理を始めると、たった今買ってきた3冊が本棚にひっそりと居る。
お、間違って買ってきたばかりの本をいきなり本棚にしまってしまったか?
「おいおいおっちょこちょいだなぁ、俺ってば・・・」
と思いきや、ブックオフの袋を確認するとまだ開けていない・・・。
このあと、書店員として自分の目の節穴感に、どれほど絶望したかは、ご想像にお任せいたします。
なにはともあれ、岬書店はおもろい本を出しますね!