
古典というと、中学高校の国語の授業で、とにもかくにも眠くなる、という印象が強いかと思います。
本書は教科書に載らない作品や、載っていない部分を能楽師である著者が講義の形で著したものです。
教科書ではないから、「野」の古典。
昔ハマった歴史シミュレーションゲームで、一生懸命「在野武将」探したなあ、なんてことを思い出します。
魅力の高い配下を捜索に出して、時には半年に亘り行かせっぱなしにして、
誰か見つけて来いよーと願ったりして。
連れてくることもあれば仕官を断られて、何度も会いにいったりして。
閑話休題。
『ほんとうは○○な古事記」みたいな本はたくさん出ているので、知識の解説というと重なるところも
多いのでしょうけれど、文字の成り立ちや音読したときのリズムなど、
そんな視点があったのか、という発見もあります。
また、章の最後にブックガイドがあり、原典を読みたくなってもすぐに求めることができます。
大学入試センター試験の古文の問題が『好色一代男』だったような、内容は覚えていないけれど。
と思い出して、でもまた読みたくて仕方なくなったのは『風姿花伝』でした。
しりあがり寿さんの挿画もとてもいい雰囲気です。