このタイトルからして、読みたい!と思い、発売したその日に読んでみました。
主人公は本を読むのは好きだけど、「感想文は書けない!」と宿題の提出日に堂々と先生に主張する女の子。
本を読んだ後は、ちゃんと「あぁ、よかった!」「おもしろかった!」って思うけど、
それを文章に書こうとするとその思いがしゅるしゅるしゅるって消えちゃうんですって。
この気持ちとっても共感できます。そんな女の子に、このお話に出てくる先生は
「自分の思いを言葉にして人に伝える」って大事なことだと言います。
そして、感想文はこの自分の思いを言葉にする練習なんだと教えてくれました。
確かに、将来大人になっても自分の思いを言葉にして伝えるのが大事な場面がたくさんあるのだから、
練習は必要だなと思いました。
このお話のおもしろいところは、「感想文が書けるお話を自分たちで作ればいい」という発想になるところです。
主人公をお友達に指名し、あれこれやりとりしながら
「弟のためにどんなことがあってもがんばる女の子」のお話が完成します。
そして、自分がお話の中に入った気持ちになればいいんだということに気が付き、お話ができる過程をずっと体験してきたからこそ感じた気持ちを感想文に
することができたのでした。とても主人公の女の子の気持ちが伝わる感想文だと思いました。
この本を読むと、感想文を書くヒントをもらったような気分になります。
感想文の書き方の本が並ぶ棚に陳列しても、ひときわ目立つこのタイトルですので、
宿題と思わず気楽に読んでみてはいかがでしょうか?
「感想文が書けません」とこの本に共感しながら、
いつのまにかその思いが詰まった感想文が完成するかもしれません。