福岡の路上で、車に轢かれ倒れていた犬を保護した作者。
フウと名付けたその犬は、事故で後ろ足が思うように動かなくなっていた。
本書は、福岡、大阪、東京、ベルリンで、作者とフウが過ごした12年間が収められた写真集です。
一匹の犬との日常に、また、そこに写る風景に、これほどまでに心が動かされるのは、
両者の絶妙な距離、互いへの想いが創り出すものからなのでしょうか。
淡々と綴られた巻末のエッセイを読んだ後、ふたたび写真のページをめくると、
この物語がさらに愛おしく感じられた。
すべてが美しく、そして温かい一冊です。