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『文藝 2022年 02月号(春)』(河出書房新社)

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『文藝 2022年 02月号(春)』(河出書房新社)

バイヤー:丸林のおすすめ



皆さん「文芸誌」をお読みになられますか?
小説やエッセイ、詩歌が掲載される月刊や季刊の刊行雑誌です。
「新潮」等に代表される王道の純文学が主体の雑誌が有名です。

現在はエンターテインメント等の大衆文学が掲載される文芸誌も増えてきて自分の好みの作家や作品を探すのも楽しみになってきました。
今月、購入したのは「文藝」です。年4回の季刊誌です。
近年は若手作家の発掘が素晴らしく、綿矢りささんや宇佐見りんさんが大きく話題にになりました。

今号は「推し、燃ゆ」で芥川賞を受賞して話題の宇佐見りんさんの新作「くるまの娘」が掲載されています。
今作は芥川賞受賞第一作となり注目を集めています。

車での旅の中で語られる娘の父の母の兄弟の心情が苦しすぎる。
誰もがもがいて苦しんでいるが、その心情の描写が圧巻です。
宇佐見さんは、なぜこんなにも心情に迫れるのだろうか。
特に最後の2ページはどんな感情で読み進めればいいのか分からない。
私は受け止めきれませんでした。

2022年、初めて読んだ作品が「くるまの娘」で始まりました。
今年も素晴らしい作品に出合える事を楽しみにしています。