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『ぼくらに嘘がひとつだけ』 綾崎隼 (文藝春秋)

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『ぼくらに嘘がひとつだけ』 綾崎隼 (文藝春秋)

バイヤー:丸林のおすすめ



綾崎隼さんは、
2021年「死にたがりの君に贈る物語」で「けんご大賞」を受賞している今話題の作家さんです。

今作は将棋プロ棋士を目指し、奨励会を駆け上がる二人の「天才」の物語です。
以前にも「盤上に君はもういない」という将棋小説を出版しています。
※物語はリンクしていて前作の登場人物もちょっと出てきます。(前作を読んでなくても大丈夫です!)

私は将棋小説が大好きです。
勝負師たちのヒリヒリした臨場感と葛藤を楽しめる作品が多く、つい手に取ってしまいます。


「ぼくらに嘘がひとつだけ」も残酷な勝負の世界に生きる棋士たちの苦悩が描かれています。

主人公二人の将来有望な天才棋士は出生時に取り違えられていたかもしれない、という疑惑が持ち上がります。
才能を決めるのは、遺伝子か環境か?
勝負師たちの運命の物語です。

少年たちの将棋道をひたむきに極めようとする姿勢に勇気をもらえる作品です。


文中に「王将を守るように、家族を大切にしなさい」
という言葉が出てきます。
タイトル通りに、一つのウソは残酷な勝負の世界に生きる人たちを守る約束のようなものだと心が熱くなりました。 

「歩」にように一歩ずつ真っ直ぐに進む彼ら、彼女らに、読後は自分も一歩前に進めたような気がしました。