文字の読み書きも満足に出来なかった山奥の村人達が、本を背負って各地で行商した歴史。
それがそのまま現代イタリアの書店や出版文化の原点になっているなんて、まさに「事実は小説よりも奇なり」という言葉が相応しい物語でした。
こんな文化史があるなんて、本当に世界は奥深い!
著者の内田洋子さんと共に現地に一緒にいるような、そんな気になる文章も素晴らしい。
書店に携わっている身としては、いつかこの“モンテレッジォ”の村には足を運んでみたい。
そして、作中に出てくる村のバールで、是非冷えた白ワインを飲みながら、生ハムやフォカッチャを食べてみたいと思いました。