私は今までに色んな本を読んできたが、“本を読んで手に汗握る”という感覚になったのは、
今のところ本書が最初で最後だ。しかも“恐ろしい”という意味で。
京都の生命保険会社に勤務する若槻は、ある顧客に呼び出されて向かった先で、子供の首吊り
死体の第一発見者となってしまう。その顧客から死亡保険金を請求されるのだが、どうにも
おかしい顧客の態度から、これは他殺ではないのか?という疑問を持つ。独自に調査を開始
する
のだが…それが恐ろしい狂気と遭遇する始まりだった!
今ではよくあるあらすじに聞こえてしまうのだが、そこは貴志祐介作品。展開や文章が
巧みで、本当に一気読みだった。犯人との最終場面はずっと汗が出っ放し。
ここまでの感想を読んでも読んでみたいと思ったホラー好きな方には、下手なホラー映画を見るよりも
この作品をオススメします。実際映画にもなりましたが、そちらも恐ろしいです。
初版が1998年とだいぶ古いが、今読み返しても恐ろしさは全く色褪せない。
結局、一番怖いのは人間なのだと思い知らされました。