1年前におすすめしました『常識のない喫茶店』の、続編にして完結編。
前作では勤務する喫茶店での客とのやりとり、バトル、撃退と派手な項目に目が行きつつ、
「出禁」と言うにいたるスタッフ側の内面描写にはっとさせられる、という日常でした。
今作は、その喫茶店を辞めるまでと、辞めたあとについて、日記とエッセイを織り交ぜて表現しています。
前作も働く側の痛み苦しみ、達成感、描かれていましたが、それでも「外向きの話だった」と思うくらい、
内側に向かった内容になっています。
著者の人生の一部分のところどころにのぞき窓があって、
「どれどれ」とのぞいている気分になってしまいましたが、
静かな生活描写の中で、確かに人生を前に進めている様子に、大きくはないけれども、
しっかりと元気をもらえたような読後感でした