「あなたにもこの豪華客船ツアーに参加して欲しい」
呪いという紐にぐるぐる巻きにされた作品『夜果つるところ』。
その作品に深く関わってしまった人たちにより、
徐々にその隠された姿が暴かれていく豪華客船ツアーの日々。
私たち読者はそのツアーに同乗し、少し離れた別のテーブルから事の成り行きを見守ることになる。
彼らの話を聞いていて席を立ちたくなる時もあるが、逆に耳をそばだてるときの方が多かった。
つまり私たち読者も否応なく、このツアーの一員になってしまうのだ。
未読のあなたにもぜひこの豪華客船に乗り込んで欲しい。