我々世代ですとかなりの方が知っているのではないと思う「美味しんぼ」というコミック（後にアニメも）に、海原雄山という強烈な美食家、芸術家が登場します。この海原雄山のモデルと言われるのが、本書の著者である北大路魯山人です。
『魯山人の食卓』は、食を芸術としてとらえた北大路魯山人の思想を味わえる一冊です。このたび新装版として発売となりました。
旬の素材を尊び、器や盛り付けを含めた「美」を追求する姿勢は、現代の私たちにも新鮮な示唆を与えます。
やや独善的とも映る強烈な個性も、読み手を惹きつける魅力のひとつ。日常の食を見直し、より豊かにするきっかけを与えてくれる本です。