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『さよならの手口』 若竹七海 (文藝春秋)

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店員のオススメ

浜松本店

『さよならの手口』 若竹七海 (文藝春秋)

浜松本店・副店長:永山のおすすめ


NHKでドラマ化もされた女探偵「葉村晶」シリーズの一冊。
葉村晶は媚びない。
葉村晶は阿らない。
そして何より、葉村晶は諦めが悪い。
行く先々でトラブルや不運に見舞われ、ときには結構な怪我をして、期待を裏切られて、こてんぱんになって心が折れても、結局最後は諦められない。
その姿に何度でも出会いたくて、このシリーズを開いてしまう。

今作でも初っ端から散々な目に遭いながら、そんなものは序の口とばかりに葉村晶に降りかかる厄介ごと。
死の淵に立つ往年の大女優からの依頼、彼女の消えた娘、彼女と関わりのあった政界のフィクサー、彼女の依頼を受けたのちに姿を消した元刑事の探偵…
並べるだけでも何重にも裏のありそうなそれぞれを、丹念に愚直に調べ上げていく葉村晶の調査と思考の足跡に、気づけば没入している。
込み入った事情があちこち絡んでも読みづらくさせず、苦い部分も重たくさせすぎない絶妙な筆力で、スリルにときめきっぱなしなこと請け合い。