私の好きな作家の1人に辻村深月さんがいます。
辻村さんといえば「かがみの孤城」が映画化もされ有名だが(もちろんこの作品も大好きです)
私が印象に残っていてまず思い浮かぶ作品は「ぼくのメジャースプーン」講談社文庫です。
どんな話かと言うと主人公は「ぼく」小学4年生。「ぼく」は不思議な力を持っていて
4年生になってから学校で飼っているうさぎの世話をしている。
幼なじみのふみちゃんは皆の分までうさぎの世話をしてしまうくらいうさぎが大好きだ。
ある日小学校で飼っていたうさぎが何者かによって殺されてしまう。
その日にうさぎの世話に行くはずだった「ぼく」の代わりにふみちゃんが
殺されたうさぎの第一発見者となってしまいショックを受けて心を閉ざしてしまう。
うさぎ殺しの犯人は捕まったが愉快犯でもちろん反省はしていない。
この犯人と対峙し力を使うことを決めた「ぼく」は力の使い方を学ぶために
同じ力を持っている先生の元へ通うこととなる。
こんな感じで始まるのですが、主に力の使い方を考える7日間で話が進んで行きます。
犯人と対峙した時「ぼく」が発した言葉とは…
子供の勢いだけで言っているだけの言葉ではなく
考え抜いた結果それでも言わなければいられなかった気持ちを思うと意地らしくなります。
辻村さんの作品はつらい現実やどうしようもない悪意も描かれますが
最後にはそれをも包み込む優しさで溢れています。
読後はいつも温かい気持ちになります。
まだ未読でしたらお手に取ってはみてはいかがでしょうか。