「マカン・マラン」
インドネシア語で「夜食」の意味を持つこのタイトルは、同時に舞台となるカフェの店名でもあります。
先日、出版社の販売部の方がみえられた際におすすめされて、手に取った一冊です。
と、書き出しますと、なにやら回し者みたいですが、実際「なぜ読んでなかったのだ」と過去の自分に説教をしに行きたくなるほど、大変すてきな小説だったのです。
深夜にしか開かない、隠れ家のような夜食カフェ「マカン・マラン」。
調度品にもこだわりぬいたそのお店を営むのは、ド派手な衣装に身を包む、ドラァグクイーンのシャール。
訪れる人々は、最初は彼女に度肝を抜かれるものの、彼女の作る優しくてあたたかな料理と、彼女の人柄に、日々の生活に疲れた心が癒されていきます。
オムニバス形式となっているこの本は、昨年11月にシリーズ最終巻となる、四巻が出たばかりです。
毎回悩みを抱える人々に供される、シャールの身に染みる言葉と料理。
彼らと一緒にマカン・マランをおとずれてみませんか?
あなたの心もきっとじんわり癒されます。
残念ながら、お腹は空く一方ですけどね。